路傍生活者

ラブリーでファンシー

思い出触れづらい問題/星のカービィディスカバリー

このような場で思い出を振り返るなら、それを覚えている人が限りなく少ないものがいい。その思い出を共有している人に見られるのはなんか気恥ずかしいし、自分と見え方が違った場合なんか寂しくなるだろうから。そんなんだから高専以前の思い出話が多いんだけど、とは言えそこそこ古い友達も見ることができる場所なのでついには小学校入学以前の話を掘り返している。

幼少期ネタが尽きたので生活の中に何かないか探してみた。例えば『星のカービィディスカバリー』を一昨日買ったんだった。これについて書けばよさそう。星のカービィは俺の好きなタイトルだけど、その割には自分で買って遊んだことはない。俺が遊んでいたのは友達のDSiでやった星のカービィウルトラスーパーデラックス(頭の悪い名前)と、星のカービィWiiの二本。Wiiも当然友達のものだった。小学校の夏休み、児童館を卒業し鍵っ子になった俺はしょっちゅう友達の家に行ってゲームをしていた。ゲーム以外にやることはザリガニ釣りしかなかった。ゲームORザリガニ。俺はゲームを持ってなくて何をやっても下手くそだったので、ひたすら足を引っ張っていたのが懐かしく、しかし今でもFPSをやればそんな感じだ。

ここで俺にカービィをやらせてくれた友人二人について触れてみたくなるけれど、二人とも中学卒業後はほとんど連絡を取っておらず、このようなところで触れるのは少しの気まずさがある。思い出とは往々にしてそういうものだ。少なくとも俺にとっては。それはブログで触れる必要のないことだからかもしれないし、カービィひとつとっても10年遡る必要がある俺の引き出しに問題があるのかもしれない。

だからと言ってはなんだが、10年の時を超えて再会した俺とカービィの現在と未来について考えるべきだろう。前向きに。

まず今作をプレイして再確認しことだが、カービィはちいかわとか言っている場合ではない程にかわいい。今作はカービィがフィールド内の大きめのオブジェを吸い込んで身体をその形に変形させる「ほおばり変形」という要素がある。言葉では分かりづらいと思うので画像を見てほしい。

f:id:kantarow:20230714023020j:image

【カービィディスカバリー】かいだんほおばりの性能と操作方法【星のカービィ】|ゲームエイト

愛おしさでどうにかなりそう。

カービィといえば大食いとコピー能力だが、ゴムのようによく伸び縮みするその体でデカいものを吸い込んじゃったらどうなるんだろう!?→こうなりました というのがプレイ中に体験できるのが最高。ありとあらゆるものを吸い込ませたい。何を吸い込んだって可愛いので。

ほおばり変形のぬいぐるみなどがあったらほしい。「くるまほおばり」はピンク以外の色もあってフィギュア化するのにちょうど良いのではないか?あるならデスクに一つ置きたい。

しかしこのほおばり変形、何か原初の欲求を突いてきている感じがして本当に上手いなと思う。カービィが自分よりでかいものを吸い込んで体が変形してしまう様子を見たいというのは、誰もが心のどこかで思っていたことだろう。そこをピンポイントに突いてくるのがすごいし、それをステージギミックに落とし込んでゲームをより面白くしているのは更にすごい。アホみたいに半開きにしていた口におしゃぶりをねじ込まれたような気分になる。俺たちはそれをちゅぱちゅぱしゃぶれば気持ちよくなれるわけで、良いプレイ体験とはそういうものだと思った。

ものを作るならこういうものだ。半開きの口におしゃぶりを突っ込むような商売をするべきなのだ。いつか星のカービィのような気持ちのいいおしゃぶりを作りたい。