路傍生活者

ラブリーでファンシー

都会のトム・ソーヤについて

内容はよく覚えていない。が、平凡を自称するサバイバル能力の高い男子中学生、内藤内人と、竜王グループ(そういうグループがあるのだ)の御曹司、竜王創也がタッグを組み、ゲームを作ったり、ゲームに参加したりするという話だった。トム・ソーヤというのはかなりこじつけで、ソーヤはそのままだが、トムの方は、内人→ないと→「と」が無い→と無→トム、という理屈らしい。

彼らは「砦」というビルの一室だかなんだかに集まり、なんだかよく分からんことに首を突っ込みまくっていて、よく考えるとそこまでゲーム全振りではなかった気がするけど、アーバン系ワクワク冒険小説だったと思う。

作中には「栗井栄太」を名乗るゲーム制作集団存在しており、二人をゲームに招待したりするのだが、それが話として面白い上に、創也が悔しがっていいものを作ってやろうと燃えたりして、かなりアツいモノづくりストーリーでもある。これを読んだ当時は素直な小学生だったので、やはり素直にモノを作ることに情熱を燃やしたいと思ったものだった。

なぜこの本を思い出したのかというと、飲み会で人生に影響を与えた創作物の話になり(こういう話をみんなでできる飲み会は、いい飲み会だ)、いい作品はあげればキリがないが、影響と言えばこれだなと、記憶の奥底から引っ張り出してみたら案外覚えているもので驚いた。

もう一度読んであの頃の気持ちを思い出したい。すごいワクワクしたのを覚えている。児童小説とはいいものですね。